軟らかい物ばかり食べると,噛む回数が激減します.
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近年、日本の「食」は欧米化しており、中でもパン、
菓子パン、パスタ、ラーメン、ハンバーガーなどによる、「主食の欧米化」が問題になってきています。これらは、加工品のため良く噛まずとも飲み込めます。実際、噛む回数は減っており、大学の調べでは、戦前食では1420回だったのに対し、現代食(ハンバーグ・ポテトサラダ・コーンスープ・プリン・パンなど)では、620回と、大幅に減っていることがわかりました。
噛まない現代人のアゴは小さくなっています.
写真左は、170万年前の猿人A.ボイセイ、右側は現代人のアゴの模型です。本当に、同じ生き物かどうか疑うほど大きさに差があります。これは極端な例かもしれませんが、使わない機能は退化する傾向にあるのでしょうか。
発育不足の小さいアゴのデメリットがあります↓
よく噛まないと、アゴの成長が不良になりやすく、歯が生えきれずに歯ならびがデコボコになります。歯ならびが乱れてくると、食べ物が残りやすくプラーク(歯垢)が残る原因にもなります。そこで、ブラッシングで取ろうとしますが凹凸のために、上手に落とせません。このような悪循環で、何度も治療しても、虫歯や歯周病が再発してしまいます。
◆↓デコボコの歯並びの矯正中
(術前⇒リンガルアーチ矯正⇒マルチブラケット矯正:非抜歯にて)
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多く「噛む」ために,「飲み物」を替えることも.
子どもは、大人と違って必要以上のカロリーを好んで摂ろうとはしないので、牛乳、炭酸飲料水、スポーツ飲料などの高カロリー飲料をたくさん飲めば、ご飯を食べる量が必然的に減ってしまいます。一方、水、麦茶、ウーロン茶などはカロリーがないため、飲んでいてもご飯の量が減ることはありません。結果的に、ご飯を食べることで、「噛む」につながるのです。
「健康で丈夫な体」に導いてあげましょう.
「噛むこと」は、消化を助けるだけではなく、大切な意味をもっています。ご飯を中心にした食生活が子どもの健康をつくり、このことによって授業などに集中できるようになり、成績も上がるかもしれません。朝食をきちんと食べる習慣をつけましょう。パンを主食にしていると、子どもが空腹になるのが早くなり、カロリー摂取にせまられ、お菓子やジュースを欲する可能性が高くなります。おやつは、胃の小さな子どもの場合、四回目の食事に当たりますから、おにぎりとお水が、お母さんの手間もかからず最適でしょう。
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めざせ、バランス料理。
食育プラン1
①主食(ごはん、パン、めんなど)を中心にエネルギー源をしっかりとろう。
②主菜(魚、肉、卵、豆製品など)からだの基礎となるたんぱく質を適量に。
③副菜(野菜、イモ類、海藻など)からだの調子を整えるものをたっぷりと。
④甘いもの、味の濃いもの、脂肪や塩分のとりすぎに注意を。
⑤歯を強くするためには、カルシウム(乳製品、小魚など)、ビタミンD(魚類、干しシイタケなど)、ビタミンC(果物、緑黄色野菜など)を含む食品を十分にとろう。
味覚は、幼児期までに決まります。
食育プラン2
・幼児期の食事は色々な食べ物の味や料理の美味しさを覚えていく大切な時期です。
・薄味にして素材本来の味を大切にし、甘いものは早い時期から与えないようにしましょう。
離乳食。
食育プラン3
①離乳食は母乳やミルクだけの飲むだけの食事から、大人と同じように食べられるようになるための準備期間です。
離乳食の進め方には個人差がありますので、赤ちゃんの食べ方に合わせた硬さや形のものを焦らずに時間をかけてゆっくり進めましょう。
②赤ちゃんが生まれてから1歳になるまでに体重は約3倍に増え、運動機能も進み、生涯のうちで最も成長が著しい時期です。健康な身体を作る基礎としてしっかりと栄養をとるようにしましょう。
むしば菌の母子感染とは。
食育プラン4
■離乳食は母乳やミルクだけの飲むだけの食事から、大人と同じように生まれたばかりの赤ちゃんには、むし歯の菌はいません。
■ムシバ菌は、母親をはじめ、赤ちゃんと接する人の「唾液」を介して感染していきます。感染を防ぐには、赤ちゃんの周囲にいる人(主に、ご両親)がむし歯菌を減らすことです。歯科医院も受診しましょう。
■大人が噛み砕いて赤ちゃんに食べさせることはやめましょう。
■低年齢で感染するほどむし歯の拡大は進みます。